リコイルホースのオートクレーブ
自動給水システムを有する動物飼育ラックと飼育室内の給水配管はリコイルホースを用いて接続されています。リコイルホースはその名の通り、コイル形状をしており収縮するので、飼育ラックを移動させても室内配管との接続に影響が出ないようになっております。また、リコイルホースは着脱が容易なワンタッチ継手が採用されており、メス側にはバルブが内蔵されているので、接続しない場合はバルブが閉じて、ここで水が止まる構造をしています。
ここでは、このリコイルホースのオートクレーブの方法をご紹介します。
1.両端の接続について
リコイルホースの両端のワンタッチ継手は、一方がオス、他方がメスになっている事が多く、下図のように接続することができますが、オートクレーブをする際にはこのような両端接続はしないで下さい。
洗浄やオートクレーブ処理中は高温になるため、このように接続するとリコイルホースの内圧上昇により変形の恐れがあるためです。
2. 内部の水の排出と開放
オートクレーブ前にリコイルホース内部の水を排出して下さい。水が残っている状態でオートクレーブを行うと、内部の蒸気圧が上昇して、ホースが破損する可能性があるからです。
水を排出する方法は、下図のようにQDプラグ(A)をリコイルホースのQDソケット(メス側)(B)に取り付ける事で、QDソケット内部のバルブが開くので空気が入り、リコイルホースの反対側のプラグ(C)から水を排出することができます。
また、QDプラグ(A)は取り付けた状態でオートクレーブを行ってください。リコイルホースの両端が解放されているので、内部の圧力上昇を避ける事が出来ます。
QDプラグ(A): 1660-1119 QDプラグ x 1/4インチNPTめすネジ
3. 温度
オートクレーブの温度は121℃を越えないようにして下さい。これ以上の温度でオートクレーブを行うと、コイルの形状が歪む可能性があります。反対に温度が低すぎると、十分な効果が期待できない可能性があります。
4. 金属との接触
オートクレーブ装置内でリコイルホースが直接金属に接触させないで下さい。リコイルホースは、布、紙またはポリプロピレンの上に置いてオートクレーブ装置に入れて下さい。金属製のラック等にも置かないで下さい。オートクレーブ中に金属と接触すると、接点に過度の熱が加わり、リコイルホースが変形するかの精があります。
5. 紙筒による保護
オートクレーブの際はリコイルホースは紙筒で支えるか、リコイルホース同士を重ねないで置いて下さい。また、真っすぐに置いて、コイル部分は伸ばさないようにして下さい。オートクレーブ温度が110~ 121℃の場合、リコイルホースは適切に支持されないと歪むことがあります。大量のリコイルホースをオートクレーブする場合、Avidity Science社では、直径2.75インチ[70mm]、長さ24インチ[610mm]の厚紙製の筒を使用することを推奨しています。両端が解放されていることが望ましいです。ネットショッピング等で入手ができます。
オートクレーブ終了後、26℃以下になるまで取り出さないでください。冷却前に動かすと、コイルが破損してQD継手部分からリークする可能性があります。
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